細胞がゾンビ化する!?ストレスなどが原因となって健康だった細胞が機能低下に陥り、老化現象に至るプロセスとして注目されているセネッセンスについて調べてみました。
セネッセンス(Senescence)とは、「細胞老化」、「細胞レベルの老化」などと訳され、「不可逆的な細胞増殖の停止」と定義されています。老化した細胞はセネッセンス細胞と呼ばれます。
セネッセンスという用語は50年も前からあり、加齢により起こる疾病やガンなど、医療系の研究がなされてきました。このセネッセンスが美容業界にとっても最前線の科学となっています。
様々な要因でわたしたちの身体にストレスがかかると、健康な細胞の機能が低下し、セネッセンス細胞に変化してしまいます。この変化によって体全体としては恒常性が保たれるといういい役割を最初のうちは果たしているのですが、セネッセンス細胞が多くなると今度は悪い影響が出てきます。それが加齢による老化を起因とする病気やガンの発生につながると考えられています。
セネッセンス細胞はゾンビみたいな細胞
わたしたちの細胞は50回ほど細胞分裂を繰り返し、その後アポトーシスといって自然死を迎えます。そして新しい細胞に席をゆずります。
ところが、何らかのストレスによりセネッセンス化した細胞は、もう細胞分裂はしないのに、その場に居座り続けます。死んでるのに死んでない、まさにゾンビ。
セネッセンス細胞は代謝を悪くします。
わたしがセネッセンス細胞をゾンビと表現するのにはもうひとつの理由があります。セネッセンス細胞はSASP(Senescence-Associated Secretoy Phenotypes)という炎症性のシグナルを出すのですが、その中にEV(Extracelluler Vesicles)という小さな粒が含まれています。
この直径100ナノメートルのEV粒が健康な細胞に届くと、その細胞がセネッセンス細胞になってしまうのだそうです。ゾンビに噛まれるとゾンビになっちゃうのと似ています。
このゾンビ細胞が健康な細胞をゾンビ化してしまうことで、セネッセンス細胞が加速度的に増えていき老化が急速に進行してしまうんです。
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ゾンビ細胞を増やさないためには、まずストレスによるセネッセンスを防ぐこと。そして、もしセネッセンス細胞が出すSASPやEV粒の発生や健康な細胞への悪影響を防ぐことができれば、老化を遅らせることにつながるわけです。
最近はセネッセンスを防ぐことに着目したコスメも出はじめています。
また、ゾンビ化した細胞はゾンビシグナルを出しますが、幹細胞は細胞を活性化するシグナルを出します。ヒト幹細胞培養液のコスメが注目されています。
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