脳の老化対策・認知症

ボケ防止に運動が効果的。週4日で脳細胞を増やして認知症を防ごう

老夫婦

「運動は老化の進行を阻むことのできる数少ない方法のひとつだ。」と「脳を鍛えるには運動しかない!」の著者ジョン・J・レイティ氏は語っています。

長い間、脳の神経細胞(ニューロン)は、年をとると減少するだけで、増えることはないと考えられてきました。

ところが、様々な研究により、運動が脳にいい影響を与えることがわかったのです。ニューロンは増える。

脳の神経細胞は増える

運動すると脳細胞の栄養因子BDNFが分泌されます。

BDNFによって脳や神経細胞に栄養を送る基盤となる血管の形成が促され、ニューロンどうしの結びつきを準備・促進するそうです。

有酸素運動が記憶を司る海馬を大きくしたという報告もあります。

ごちゃごちゃと小難しいことを書きましたが、要するに、現代の科学では、脳の神経細胞(ニューロン)は増えるというのが科学的常識となっているのです。

運動とボケ防止に関するレポート

運動と脳との関係については様々な研究・調査が行われていますが、ボケ防止に関するものを2つ紹介します。

1.運動がボケ防止に有効だという報告

フィンランドでの1500人に対する調査です。1970年代と21年後に再調査したもの。

運動をしていなかった人に比べて、週に2回運動していた人は、認知症になる確率が50%も低かったそうです。50%というのはかなり大きな違いですね。

2.運動と認知能力に関する調査

もうひとつは看護師の健康調査と呼ばれているデータです。1970年代なかばにスタートし他調査で、1995年から認知力のテストが追加されています。

この認知力が追加された調査データから70~81歳の女性1万8,766人のデータを抜き出し、運動量と認知能力についての関係を分析しています。ハーバード大学の疫学者ジェニファー・ウーヴの調査です。

運動量で分けられた5つのグループを比較すると、最もよく運動していたグループは老後に認知能力が衰える確率が20%低かったそうです。

このグループの運動量は、週に平均12時間のウォーキングか4時間弱のランニングをしていました。運動に結構時間をとっている感じですね。

ただ、こんなに運動をしていなくても、運動を全くしないよりも週に1時間半程度歩くだけでも効果があるそうです。

ボケ防止に効果的な運動

有酸素運動
では、ボケ防止のためにはどんな運動をどのくらいすればいいのでしょうか?

脳のためには最大心拍数の60~70%くらいの強度で有酸素運動をするのが効果的とされています。

(★最大心拍数は220から年齢を引いて求めることができます。)

ただ、有酸素運動で脳に新しいニューロンを生まれさせても、使わないでいると死んでしまうそうです。

そのため、ニューロンを生まれさせるための有酸素運動をした後に、神経細胞どうしの結びつきを強くさせる、脳を使う運動をするのがおすすめです。

ヨガ

脳を使う運動とは、技術の習得が必要な運動で、ヨガ、ピラティスのポーズ、空手の形、ダンスなど。

自分の動作を意識するものや、普段使わない筋肉を意識的に使うものが脳にいい刺激になります。楽しめるものを選ぶといいそうです。

前出の調査では、週に2回の運動習慣、週に1時間半のウォーキングが効果があったということでした。

さらに積極的にボケ防止に取り組むなら、

・週4回の有酸素運動(30分~1時間)を最大心拍数の65.75%までの強度で行う。
<具体的には速歩き程度のちょっと息が上がる運動>
・週2回はもう少し強度を上げた最大心拍数の75.9%まで上がる運動を短く取り入れる。

 

心拍計を利用すると運動レベルがわかりやすくなります。同じように運動しても、たとえば運動が苦手な人のほうが早く心拍数が上がったりするので、無理せず、自分にあった強度の運動ができるのです。

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60歳以上なら毎日の運動を習慣にするのがおすすめだとか。

そして、有酸素運動の後に何かしら脳を使うことをしましょう。運動ならヨガやダンスなど。有酸素運動のあとに脳トレをやったりするのもおすすめ。

ボケ防止には運動が効果的という話題でした。脳の神経細胞、ニューロンを生まれさせ、そして育てましょう!

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