コーヒーは糖化を防ぐために飲むべきか、飲まないほうがいいのか。その答えはちょっぴり複雑なのでした。この記事のタイトルにある通り、糖化防止を考えてコーヒーを飲むならドリップコーヒーを淹れたてで飲みましょう。
糖化とコーヒーについては、それ以外にも知っておきたいことがあるんです。
糖化とAGEの基礎知識
糖化とは、たんぱく質と糖質が熱によって結合したAGEという物質ができることです。
AGEはAdvanced Glycation End Productsの略。終末糖化産物と訳されます。AGEはたんぱく質の機能を低下させます。コラーゲンに特に溜まりやすく、弾力性を失わせます。
AGEが原因で老化がすすんだり、目に溜まれば白内障に、脳に溜まればアルツハイマー型認知症に、などなど病気を引きおこすと考えられています。多くの糖尿病の合併症もAGEが原因なのだとか。
肌のくすみやシワ・たるみ、髪のツヤがなくなったり、抜け毛・白髪の原因にもなります。
AGEは、わたしたちの体の中では、エネルギーにできずに余った糖がたんぱく質と結合してできます。
また、ほとんどの食品にAGEが含まれているため、AGEが多い食品ばかりを食べないようにしたほうがいいそうです。
AGEはたんぱく質と糖が熱により結合してできると書きました。パンケーキの美味しそうな焼き色、揚げ物の茶色、お肉の香ばしい焼き色、これらができるのをメイラード反応と呼び、AGEが多く作られています。
高温で調理するとより多くのAGEができます。
糖化とコーヒー
さて、コーヒーはというと、焙煎していることもありAGEは含まれています。
でも、ドリップコーヒーの淹れたてにはあまり含まれていません。
ところが、ドリップした後に保温することでAGEが増加していくんです。熱を与え続けることになるため、長時間保温すれはするほどAGEが増えます。
少し煮詰まったような感じになって、香りがもやっとした感じになったあのコーヒーはAGEが増えちゃってるんですね~。
それから、電子レンジ加熱もAGEが増えます。
さめたコーヒーを電子レンジで温めなおすとAGEが増えます。わたしはコーヒーがさめちゃったら豆乳を足してレンチンしてカフェラテにしてよく飲んでるんですけど、AGE増やしてましたー。
インスタントコーヒーは、ドリップコーヒーに比較してAGEは多くなります。
また、糖化を防ぎたいならコーヒーはブラックで飲みましょう。お砂糖やミルクを加えるとAGEが増えます。お砂糖は体内の糖を増やすことになるので、体内でのAGE生産も増やしちゃいますね。
コーヒーのAGE量
- ドリップコーヒー1杯(250ml)中のAGEは4ku(単位:キロユニット)
- このコーヒーを1時間以上保温するとAGEは34kuに増えます。
- ドリップコーヒーにミルクを入れると+2ku
- お砂糖を入れると+6ku
- インスタントコーヒー1杯(250ml)中のAGEは12ku
電子レンジ加熱でAGEがどのくらい増えるのかは不明です。加熱時間が長いほど多くなるのは確かです。糖がほとんど含まれない生の鶏肉を5分間電子レンジ加熱するとAGEは2倍。糖も含んでいる無脂肪乳は、レンジ1分でAGEが5倍、3分で80倍という報告も。
結局コーヒー飲んでいいの?
結局、糖化したくない人がコーヒーを飲んでいいのかどうかですが。
健康な人の1日のAGE摂取目安はおよそ5,000ku~16,000ku。15,000ku程度までに収めるといいそうです。
でも、例えばカツカレーを食べたら1皿で17,000kuもAGEを摂取してしまいます。揚げ物や高温で調理された料理を減らすほうが糖化防止には効果がありそう。
それを考えるとコーヒー(1杯で4ku)でのAGE摂取はあまり気にしなくてもいいかなという感じもしますね。
コーヒーは、クロロゲン酸やニコチン酸など、アンチエイジング効果のある成分も含んでいます。1日に3杯程度飲むのがいいとされています。
糖化を防ぎたいなら、飲みすぎには注意しつつ淹れたての美味しいドリップコーヒーをブラックで楽しむのがベストですかね。電子レンジで温めなおすのはやめようと思いました。
糖化とコーヒーに関する話題でした。